「料金をいくらにすればいいかわからない」
「安くしないとお客様が来ないのでは…」
清掃業で独立したばかりの事業者が最初にぶつかる壁が、料金設定です。
安すぎれば利益が出ず、高すぎれば依頼が来ない。適正価格が見えないまま、なんとなく競合に合わせている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、清掃業の料金表を損しないように作るための考え方と手順を解説します。テンプレートとして使える料金項目の一覧も紹介します。
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料金表がないと起こる3つの問題
案件ごとに金額がバラつく
料金表がないと、案件のたびに「いくらにしよう」と考えることになります。結果として、同じ作業内容でもお客様によって金額が異なる事態が起きます。
見積もりに時間がかかる
基準がなければ、見積書の作成に毎回時間がかかります。現場から帰って1時間かけて見積書を作る、という状況に心当たりはないでしょうか。
値引き交渉に負けやすくなる
根拠のない料金設定は、値引き要求に弱くなります。「もう少し安くなりませんか」と言われたとき、断る根拠がないのです。
料金設定の3つの考え方
原価ベースで設定する
最も基本的な方法です。かかるコストを積み上げて、利益を上乗せします。
原価に含めるもの
人件費(時給 × 作業時間 × 人数)
資材費(洗剤、道具の消耗分)
移動費(ガソリン代、駐車場代)
事務コスト(見積書・請求書の作成時間)
間接費(保険料、通信費などの按分)
計算例:1LDK空室クリーニングの場合
項目 | 金額 |
|---|---|
人件費(1人 × 3時間 × 時給1,500円) | 4,500円 |
資材費 | 1,000円 |
移動費 | 800円 |
事務コスト(30分) | 750円 |
間接費 | 500円 |
原価合計 | 7,550円 |
利益(原価の40%) | 3,020円 |
販売価格 | 10,570円 → 11,000円 |
相場ベースで設定する
地域や業種の相場を調べて、自社の料金を決める方法です。
ハウスクリーニングの相場目安
サービス | 相場 |
|---|---|
1R〜1K(空室) | 20,000〜35,000円 |
1LDK〜2LDK(空室) | 30,000〜70,000円 |
3LDK以上(空室) | 50,000〜100,000円 |
エアコンクリーニング(壁掛け) | 8,000〜14,000円 |
レンジフード清掃 | 10,000〜20,000円 |
浴室清掃 | 12,000〜20,000円 |
相場をベースにする場合でも、自社の原価を把握したうえで設定することが重要です。相場より安くても利益が出ればよいですが、赤字では意味がありません。
価値ベースで設定する
お客様が感じる「価値」に対して料金を設定する方法です。
価値が高くなる要素
即日対応・休日対応
作業前後の写真レポート付き
特殊な汚れの除去(カビ、油汚れ)
リピーター限定の定期プラン
複数箇所のセット割引
付加価値をつけることで、相場より高い料金でも選ばれる可能性があります。
料金表テンプレートに記載すべき項目
料金表を作る際に、最低限記載すべき項目をまとめました。
基本情報
項目 | 記載内容 |
|---|---|
サービス名 | 何のサービスかがひと目でわかる名称 |
対象範囲 | どこまでが作業範囲か |
作業時間の目安 | お客様が予定を立てやすいように |
基本料金 | 税込み・税抜きを明記 |
追加料金の条件 | どのような場合に追加費用が発生するか |
料金体系の種類
清掃業の料金体系は、大きく3つに分かれます。
料金体系 | 特徴 | 向いているサービス |
|---|---|---|
面積ベース | 1平米あたり○円 | オフィス清掃、床ワックス |
時間ベース | 1時間あたり○円 | 日常清掃、スポット清掃 |
定額制 | 1回あたり○円 | ハウスクリーニング、エアコン |
オプション料金の設定
基本料金とは別に、オプションとして追加料金を設定すると、お客様の選択肢が広がります。
オプション例
高所作業(2m以上):+2,000円
特殊洗剤の使用:+1,500円
作業写真レポート:+1,000円
早朝・夜間対応:+3,000円
駐車場代が必要な場合:実費
料金表を見積書に落とし込むコツ
料金表ができたら、次は見積書への反映です。
見積書作成のポイント
記載すべき項目
サービス名と作業内容
数量(面積、時間、回数)
単価と小計
オプション料金
消費税
合計金額
有効期限
お客様を待たせない見積書の発行
料金表が整っていれば、見積書の作成スピードは大幅に上がります。
スマホやタブレットから見積書を作成できるツールを使えば、現場でお客様にヒアリングしながら、その場で見積書を作成・送付できます。これにより、「帰社してから見積書を作って送る」という手間がなくなります。
料金改定のタイミングと方法
料金表は一度作って終わりではありません。定期的な見直しが必要です。
見直しのタイミング
最低賃金が改定されたとき
資材費が大幅に変動したとき
年に1回の定期見直し
新しいサービスを追加するとき
料金を改定する際は、既存のお客様に事前に通知し、新しい料金の見積書を発行しましょう。
まとめ
清掃業の料金表を作る際のポイントを整理します。
ポイント | 内容 |
|---|---|
原価の把握 | 人件費・資材費・移動費・事務コストを計算する |
利益率の確保 | 原価に対して30〜40%の利益を上乗せする |
相場の確認 | 競合の料金を調べて、自社の立ち位置を決める |
付加価値 | 写真レポートや即日対応など差別化要素を加える |
明確な記載 | 基本料金・追加条件・税込み表示を明記する |
定期見直し | 最低年1回は料金表を更新する |
料金表は、見積書作成の基盤であり、経営判断の土台です。「なんとなく」で決めた料金のまま続けていると、知らないうちに利益を失っていきます。
まずは自社の原価を正確に把握して、根拠のある料金表を作ることから始めてみてください。
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