「清掃業で独立したいけれど、最初に何を揃えればいいかわからない。あれもこれも必要な気がして、開業前にお金が尽きそう…」
清掃業は、飲食業や小売業と比べて初期費用が少なく、自宅を拠点に開業できるのが大きなメリットです。しかし「必要なもの」と「あったほうがいいもの」の区別がつかず、最初から揃えすぎてしまう方も少なくありません。
この記事では、自宅開業で清掃業を始める際に最低限必要なものと、後から揃えれば良いものを分けて解説します。
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開業前に揃えるべきもの
道具・洗剤
まずは受注する予定のメニューに必要な道具だけを揃えましょう。「いつか使うかもしれない」ものは、実際に必要になってから購入すれば十分です。
ハウスクリーニングの基本道具一覧
カテゴリ | 品目 | 用途 | 費用目安 |
|---|---|---|---|
洗剤 | 万能洗剤(中性) | キッチン・浴室等の一般的な汚れ | 1,500〜3,000円 |
洗剤 | アルカリ洗剤 | 油汚れ・レンジフード | 1,000〜2,000円 |
洗剤 | カビ取り剤(塩素系) | 浴室・水まわりのカビ | 500〜1,500円 |
洗剤 | ガラスクリーナー | 窓ガラス・鏡 | 500〜1,000円 |
洗剤 | クリームクレンザー | シンク・蛇口等の水垢 | 300〜800円 |
道具 | マイクロファイバークロス(10枚〜) | 拭き上げ全般 | 1,500〜3,000円 |
道具 | スポンジ各種 | こすり洗い | 500〜1,500円 |
道具 | ブラシ類(歯ブラシサイズ〜大型) | 細部の汚れ落とし | 1,000〜2,000円 |
道具 | スクイージー | 窓ガラスの水切り | 1,000〜3,000円 |
道具 | スプレーボトル(3〜5本) | 洗剤の希釈・噴霧 | 500〜1,000円 |
保護具 | ゴム手袋(使い捨て+厚手) | 手の保護 | 500〜1,500円 |
保護具 | マスク | 洗剤の吸引防止 | 300〜800円 |
保護具 | 養生テープ・ブルーシート | 周辺の保護 | 1,000〜2,000円 |
工具 | 脚立(3〜4段) | 高所作業 | 3,000〜8,000円 |
工具 | バケツ(2〜3個) | 水の運搬・道具入れ | 500〜1,500円 |
道具・洗剤の合計目安 — 約15,000〜35,000円
ポイントは、最初から業務用の高価な洗剤を揃える必要はないということです。まずはホームセンターで手に入る洗剤から始め、お客様が増えてきたら業務用の洗剤卸から仕入れるようにしましょう。
移動手段
お客様のお宅に伺うための車が必要です。自家用車をそのまま使う場合は、以下の点を確認しましょう。
確認事項 | 内容 |
|---|---|
自動車保険 | 事業用途をカバーしているか確認(カバーしていない場合は変更が必要) |
積載スペース | 脚立・バケツ・洗剤等を積めるだけのスペースがあるか |
車内収納 | 道具を整理して積めるよう、収納ケースやラックを用意する |
車内に道具を整理して積めるよう、ホームセンターで購入できるプラスチック製の収納ケース(2〜3個、合計2,000〜5,000円)を用意しておくと便利です。
名刺
お客様への挨拶や、近隣への営業時に使います。ネット印刷で100枚1,000〜2,000円程度で作成できます。
名刺に記載すべき情報
屋号(個人名だけでもOKですが、屋号があるとプロ感が出ます)
氏名
電話番号
メールアドレス
対応エリア
主なサービス内容(ハウスクリーニング、エアコンクリーニング等)
「賠償責任保険加入済み」の表記(加入後)
開業届と青色申告
届出 | 提出先 | 費用 | 備考 |
|---|---|---|---|
開業届 | 管轄の税務署 | 無料 | A4用紙1枚。開業日から1ヶ月以内に提出 |
青色申告承認申請書 | 管轄の税務署 | 無料 | 開業届と同時に提出がおすすめ |
青色申告承認申請書を提出しておくと、確定申告時に最大65万円の控除が受けられます。提出しないと白色申告になり、控除額は最大10万円です。この差は非常に大きいため、開業届と一緒に必ず提出しましょう。
※65万円の控除を受けるには、複式簿記での記帳と、e-Taxでの電子申告または電子帳簿保存が必要です。これらの条件を満たさない場合は、控除額は55万円または10万円になります。詳細は国税庁のホームページで最新情報を確認してください。
賠償責任保険
お客様のお宅で物を壊してしまうリスクに備える保険です。年間1〜3万円程度で加入できます。開業と同時に加入しておくことを強くおすすめします。
万が一の事故で数十万円の賠償が発生した場合、開業初期の資金では対応できません。月額1,000円程度の保険料で、事業を守る安心感が手に入ります。保険の種類や選び方については「清掃業で入っておくべき保険と損害への備え」で詳しく解説しています。
後から揃えれば良いもの
開業時点で必要ないものを先に買ってしまうと、初期費用が膨らむだけでなく、使わないまま保管場所を圧迫します。
【失敗談】最初から高圧洗浄機を買った話
「エアコンクリーニングもやりたい」と気合いを入れて、開業前に10万円以上の高圧洗浄機を購入した事業者がいます。しかし、開業後半年間で入った依頼はキッチンと浴室の一般清掃ばかり。高圧洗浄機はガレージの片隅でホコリをかぶったままでした。
このケースの教訓は、「注文が入る前に道具を買わない」ということです。エアコンクリーニングの依頼が実際に入ってから機材を揃えても、十分間に合います。
品目 | 揃えるタイミング | 理由 |
|---|---|---|
高圧洗浄機 | エアコンクリーニングを始めるとき | 一般清掃には不要。10万円以上の投資 |
ポリッシャー | 床清掃メニューを追加するとき | 操作にも慣れが必要 |
ホームページ | 実績が3〜5件たまったとき | まずはGoogleビジネスプロフィールで十分 |
事務所 | 売上が安定してきたとき | 自宅のガレージや物置で十分 |
ユニフォーム(屋号入り) | スタッフを雇うとき | 最初は清潔感のあるポロシャツで十分 |
会計ソフト | 確定申告が近づいたとき | 無料の会計アプリで始められる |
初期費用の総まとめ
それでは、ここまでの必須アイテムを揃えた場合の総額を見てみましょう。
項目 | 費用目安 |
|---|---|
道具・洗剤 | 15,000〜35,000円 |
車両関連(収納ケース等) | 2,000〜5,000円 |
名刺 | 1,000〜2,000円 |
賠償責任保険(年間) | 10,000〜30,000円 |
開業届・青色申告承認申請書 | 0円 |
合計 | 約28,000〜72,000円 |
飲食業の開業が数百万円〜数千万円かかることを考えると、清掃業の初期費用は3〜7万円程度と非常に低く抑えられます。
開業直後にやるべき集客アクション
道具を揃えたら、次は最初の1件を取ることが最優先です。集客の基盤づくりについては「ホームページ・SNSの「育て方」」で詳しく解説しています。
アクション | 費用 | 期待できる効果 |
|---|---|---|
知人・友人への声かけ | 0円 | 最初の実績とビフォーアフター写真が手に入る |
Googleビジネスプロフィールの登録 | 0円 | 地域検索で表示される。口コミが蓄積される |
チラシのポスティング | 3,000〜10,000円(500枚) | 近隣エリアの認知獲得 |
くらしのマーケット等への登録 | 手数料制 | 即日で問い合わせが来る可能性がある |
まとめ
自宅開業で清掃業を始めるなら、最初は「最低限」で十分です。
最初に揃えるもの — 基本の道具・洗剤(15,000〜35,000円)、名刺、保険、開業届
後から揃えるもの — 高額機材、ホームページ、事務所、ユニフォーム
初期費用の目安 — 約3〜7万円
考え方 — 「必要になったら買う」が正解。最初から完璧に揃える必要はない
最優先 — 道具を揃えることではなく、最初の1件の仕事を取ること
まずは身近な方への声かけや、Googleビジネスプロフィールの登録から始めてみてください。
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