リフォームの案件が増えてくると、これまで紙やエクセルで何とかなっていた管理が、急に立ち行かなくなることがあります。「あの現場の見積もりはいくらだったか」「協力業者への連絡はもう済んだか」を確認するだけで時間が取られ、気づけば原価の計算にもズレが出てしまう。こうした悩みを抱えるリフォーム事業者は少なくありません。
この記事では、リフォーム業向けの案件管理システムを6つ取り上げ、料金傾向・向いている事業規模・強みと注意点を同じ切り口で比較します。あわせて、一人親方からスタッフ10名前後の工務店、複数拠点の事業者まで、規模別のおすすめの選び方も解説します。自社に合うツールを選ぶための判断材料として役立ててください。
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リフォーム業に案件管理システムが必要な理由
案件管理システムは、大きな会社だけのものではありません。案件数が月に数件から十数件に増えてくると、紙やエクセルでは追いつかなくなる場面が出てきます。
案件が増えるほど起きやすい抜け漏れ・原価のズレ
リフォームの案件は、見積もり、契約、発注、施工、請求という複数の工程を経て完了します。案件が1件、2件のうちは頭の中で管理できても、5件、10件と並行すると、どの現場が今どの工程にあるのか、材料の発注は済んでいるのかを把握しきれなくなります。
原価のズレも起きやすいポイントです。見積もり時に想定した材料費や外注費が、実際の発注・支払いのタイミングで記録されずに残ってしまうと、案件が終わってから「思ったより利益が出ていない」という事態につながります。エクセルで管理していても、更新のタイミングがずれるだけで数字は簡単に食い違ってしまいます。
職人・協力業者との情報共有にかかる手間
リフォームは自社スタッフだけでなく、複数の職人や協力業者が関わることが多い業種です。現場の進捗や図面、変更内容を電話やLINEで都度伝えていると、聞いた・聞いていないの行き違いが起きやすくなります。案件管理システムで現場の情報を一箇所にまとめておけば、担当者が変わっても引き継ぎがスムーズになり、確認のための電話や移動の手間も減らせます。
顧客管理の観点をより詳しく知りたい方は、リフォーム業における顧客管理のメリットとは?具体的な方法まで紹介しますもあわせてご覧ください。
リフォーム業向け案件管理システムを選ぶときに確認すべきポイント
比較検討を始める前に、次の5つの観点で自社の状況を整理しておくと、システム選びで迷いにくくなります。
事業規模に合った料金体系か スタッフの人数分だけ課金される料金体系なのか、月額固定制なのかによって、コストの見通しは大きく変わります。将来スタッフが増える予定があるかどうかも含めて確認します。
原価管理・工程管理・顧客管理のどこを重視するか すべての機能を高いレベルで求めると、費用も操作の複雑さも上がります。まずは自社が一番困っている業務は何かを明確にします。
大手向けか小規模向けか 数十名規模の工務店向けに作られたシステムを、一人親方が導入すると、使わない機能ばかりで料金だけがかさむことがあります。想定ユーザー規模を必ず確認します。
操作のしやすさ 現場で職人が入力する場面がある場合、スマートフォンでの操作のしやすさが定着率を左右します。無料トライアルで実際の画面を触ってから判断します。
サポート体制 導入直後は操作に慣れず、問い合わせが増える時期です。電話やチャットでのサポートがあるか、平日以外も対応してもらえるかを確認しておきます。
リフォーム業向け案件管理システムおすすめ比較
ここからは、リフォーム業で使われている案件管理システムを6つ紹介します。料金は変動する可能性があるため、契約前に必ず公式サイトで最新の情報を確認してください。
ANDPAD(アンドパッド)
概要 施工管理システムの中でも導入実績が豊富なシステムです。工事写真・図面共有、工程管理に加え、施主とのコミュニケーション機能まで幅広くカバーしています。
料金傾向 ID数やオプション構成によって料金が変わる仕組みで、公開の料金表はなく個別見積もりが基本です。資料請求または問い合わせで正式な見積もりを確認します。
向いている事業規模 スタッフ数十名以上、複数現場を同時に抱える中規模〜大手の工務店・リフォーム会社です。
強み 施工写真・図面の共有から施主とのやり取りまで、現場に関わる情報を1つのシステムで完結できる機能の幅広さです。
注意点 機能が豊富な分、小規模事業者にとってはオーバースペックになりやすく、コストも高くなりがちです。
アイピア
概要 リフォーム・建築業に特化したクラウド型の業務管理システムです。顧客管理、見積作成、原価管理、工程管理、請求・入金までを1つのシステムでカバーします。
料金傾向 ライトプランは初期費用120,000円、月額10,000円(5ユーザーまで)から利用できます。ベーシックプランは月額20,000円、プロフェッショナルプランは月額30,000円で、いずれも5ユーザーまでの料金です。6ユーザー目以降は1人につき月額2,000円が加算されます。ベーシック・プロフェッショナルの初期費用は個別見積もりです。
向いている事業規模 スタッフ30名以下の小規模〜中規模の工務店・リフォーム会社です。
強み 見積書や請求書など、自社の業務フローに合わせた帳票のカスタマイズ性の高さです。
注意点 カスタマイズ性が高い分、導入時の設定に時間がかかる場合があります。導入前に設定にかかる期間を確認しておくと安心です。
ダンドリワーク
概要 建設業に特化した施工管理アプリで、現場写真・図面共有、工程管理、検査・報告書の作成に対応しています。
料金傾向 課題や利用人数に応じた個別見積もり制で、公開の料金表は用意されていません。見積もり依頼フォームから問い合わせる形になります。
向いている事業規模 複数の現場を並行して管理する中規模以上の工務店・建設会社です。
強み 現場写真や図面の共有、検査・報告書の作成といった、建設業の実務に沿った機能がそろっている点です。
注意点 料金が公開されていないため、自社の規模感でどの程度の費用になるか、契約前に見積もりを取って確認する必要があります。
サクミル
概要 建設業向けの施工管理システムで、顧客管理、案件進捗、スケジュール管理、見積・請求、原価・粗利管理までを1つのシステムで扱えます。
料金傾向 月額9,800円から利用でき、20アカウントまでは追加料金がかかりません。初期費用も0円です。
向いている事業規模 スタッフ数名から20名程度までの小規模〜中規模の事業者です。
強み 料金体系がシンプルで、アカウント数が増えても追加料金が発生しにくい分かりやすさです。
注意点 大規模で複雑な工程管理を必要とする場合、機能が絞られている可能性があるため、導入前にトライアルで確認しておきます。
kintone(キントーン)
概要 サイボウズが提供する汎用のノーコードツールです。業務に合わせて自社でアプリを作成し、案件管理や顧客管理の仕組みを構築できます。
料金傾向 ライトコースが1人あたり月額1,100円、スタンダードコースが1人あたり月額1,980円(税込)で、いずれも最低10ユーザーからの契約です。30日間の無料トライアルがあります。
向いている事業規模 社内にアプリ作りを担当できる人がいる、または他のシステムとの連携を重視する中規模以上の事業者です。
強み 自由度の高いカスタマイズ性と、他社サービスとの連携のしやすさです。
注意点 リフォーム業向けの案件管理機能があらかじめ用意されているわけではなく、自社の業務に合わせてアプリを設計・構築する手間がかかります。
センキャク
概要 見積書作成、案件・顧客管理、請求書発行、売上集計までを1つのツールで一元管理できる、出張訪問型サービス業向けのクラウドツールです。
料金傾向 月額1,980円(税込)で利用でき、初期費用50,000円は現在キャンペーンにより0円です。30日間の無料トライアルがあります。
向いている事業規模 一人親方やスタッフ数名程度の小規模事業者です。
強み 料金と操作のわかりやすさです。見積書から請求書、売上集計までの流れを、専門的な知識がなくても使える画面でまとめています。
注意点 大手向けの多機能システムほど、工程管理や図面共有といった専門的な機能は広くありません。まずは無料トライアルで、自社の業務に必要な機能が揃っているか確認します。
事業規模別のおすすめの選び方
同じリフォーム業でも、事業規模によって合うシステムは変わります。
一人親方・スタッフ数名規模の場合
まずは料金の分かりやすさを優先します。センキャクやサクミルのように、月額料金が明確で、追加料金の見通しが立てやすいシステムが向いています。多機能な大手向けシステムを選ぶと、使わない機能に費用を払い続けることになりかねません。
スタッフ10名前後の工務店の場合
原価管理や見積書のカスタマイズ性を重視するなら、アイピアのベーシックプラン・プロフェッショナルプランやサクミルが候補になります。自社の見積もりフォーマットや帳票をそのまま使いたい場合は、カスタマイズ性の高さを確認してから選びます。
複数拠点・大手の場合
複数の現場を同時に抱え、施主とのやり取りまで一括管理したい場合は、ANDPADやダンドリワークのような、建設業向けに機能を積み上げてきたシステムが向いています。料金は個別見積もりになるため、複数社から見積もりを取って比較します。
導入前に確認しておきたい注意点
初期費用・最低契約人数の有無
システムによっては、月額料金とは別に初期費用がかかったり、最低契約人数が設定されていたりします。kintoneのように最低10ユーザーからの契約が必要なシステムもあるため、実際のスタッフ数と契約条件が合っているかを事前に確認します。
既存の見積ソフトとの連携
すでに見積ソフトや会計ソフトを使っている場合、案件管理システムとデータを連携できるかどうかも確認しておきたいポイントです。連携できない場合、同じ情報を2つのシステムに入力する二度手間が発生し、かえって業務が増えてしまうことがあります。
よくある質問
Q. 無料トライアルはあるか A. 今回紹介した6システムのうち、kintoneは30日間、センキャクは30日間、サクミルは2か月間の無料トライアルが用意されています。ANDPAD・ダンドリワークは個別見積もりのため、アイピアはプラン料金が公開されているもののユーザー数によって変動するため、それぞれトライアルの有無や条件を問い合わせ時に確認してください。
Q. 導入にどれくらい時間がかかるか A. カスタマイズ性の高いシステムほど設定に時間がかかる傾向があります。目安として、料金体系がシンプルなシステムは数日から2週間程度、カスタマイズを伴うシステムは1か月以上かかる場合があります。
Q. エクセルから乗り換える場合、データの移行は大変か A. 顧客・案件の一覧をエクセルで管理している場合、多くのシステムがCSV形式でのデータ取り込みに対応しています。乗り換え前に、現在使っているエクセルの列構成をそのまま取り込めるか、サポート窓口に確認しておくと安心です。
まとめ
リフォーム業では案件数が増えるほど、抜け漏れや原価のズレ、協力業者との情報共有の手間が起きやすくなります
システムを選ぶときは、料金体系、重視したい機能、事業規模との相性、操作のしやすさ、サポート体制の5点を確認します
ANDPAD・ダンドリワークは機能が豊富な分、料金は個別見積もりで中規模〜大手向けです
アイピアはプラン料金が公開されており、5ユーザーまでなら小規模〜中規模の工務店でも導入しやすい価格帯です
サクミル・kintone・センキャクは料金の見通しが立てやすく、小規模事業者でも導入しやすい選択肢です
契約前には必ず無料トライアルを利用し、自社の業務に必要な機能が揃っているかを確認します
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